音ゲーするなら楽器の方が楽しいのでは?という疑問に率直にお答えします

 

よく音ゲーをしない人から、音ゲーを一生懸命練習するなら、いっそのこと本物の楽器をやった方がいいのでは?と言われることがあります。

簡単に言うと、両者は似ているようで異なるため、同じようには考えることができません。

これだけだと、ちょっと言葉足らずなので、きちんと説明したいと思います。

 

音ゲーと楽器は似て非なるもの

 

音ゲーは入力デバイス(ボタンやフットペダルなど)が楽器っぽく作られているものが多くあります。

beatmaniaではパッドとスクラッチ、GITADORAはギターとドラムに似せています。

しかし、GITADORAギターのコントローラーを見ると、ギターのネック部分にはボタン、ピックアップ部分には左右に動くつまみのようなボタンがあります。

 

当然と言えば当然ですが、楽器に「寄せている」というだけです。

 

例えば、このギターコントローラーを本物のギターのように、6本の弦を貼ったら、それはもうかなり難しくなると思います。

ギターを演奏したことがある方ならわかると思いますが、まず正しい弦をピックで弾くのさえ難しいです。

弦が6本もありますから。

 

楽器に寄せすぎてしまうと、初心者お断りとなってしまうため、あくまで楽器っぽくしているだけなのです。

 

やはり楽器よりも、かなりゲームに寄っています(そもそもゲームですし)。

maimaiやjybeat(ユビート)のように、特に楽器とは関係のない感じの音ゲーもあります。

 

「楽器をすればいいのに」というオファーに対しては、本物の楽器はかなり難しくて、楽しめるまでに時間がかかる、というのが返答になります。

 

ひとりでプレーして楽しいかどうか

 

ピアノのように、メロディとリズムを同時に奏でることのできる楽器は、ひとりで演奏しても曲となりますが、ドラムのような打楽器となると、自分ひとりではリズムパートだけしか演奏できないため、曲としての演奏にはなりません。

 

他の楽器のメンバーと合わせないと曲にならないんですよね。

 

ひとりで演奏しても、単なる練習にしかなりません。

 

音楽ゲームは自分の演奏するパート以外は自動で演奏されます。

GITADORAであれば、ギターとドラムのパートだけ抜いてあるような曲がバックで流れるんですね。

 

なので、ひとりでプレーしてもセッションしているかのような感覚を楽しむことができるわけです。

 

ひとりでセッションだなんて寂しいなと思われるかもしれませんが、本物の楽器でメンバーを集める難しさを考えると、これで充分です。

実際にメンバーを募集すると、自分と音楽性の合う人、力量の合う人を見つけなければならないため、かなり難しいです。

今でこそインターネットがあるので、マッチングしやすいですが、僕の子供の頃はまだネットがなかったため、ギター誌の巻末にメンバー募集ページがありました。

 

そこには、こんな書き込みがたくさん載っていました。

当方ギターとドラムの2名。ボーカル、ベース、ギター募集。X JAPAN LUNA SEAみたいなビジュアル系をプレーしたいです。プロは目指しません。

 

つまり、音楽雑誌を掲示板みたいに使っていたのです。

本当にバンドをしようと思うなら、ボーカル、ギター、ベース、ドラムの最低4人が必要で、さらにツインギターやキーボードを入れようものなら6人とかなるわけです。

 

こういう努力をせずに、1人で気軽にゲーセンでプレーできるのも、音ゲーのひとつの魅力だと思います。

 

 

ゲームだといろんな音色が出せる

 

GITADORAのようにギターやドラムだけの音が出る音ゲーもあれば、同じボタンを押しても、曲の場面ごとに音色が変わるゲームもあります。

ゲームセンターで現行稼働しているbeatmania IIDX (ビートマニアツーディーエックス)やpop’n music(ポップンミュージック)がそうです。

 

特に前者は曲のジャンルがテクノ、トランス、ハウス、EDMなどクラブミュージックが多いため、様々な電子音を出すことができて、かなり新鮮です。

 

楽器でいうと、シンセサイザーに近いのですが、シンセサイザーは自分の操作で音色を変えないと、異なる音色を出すことができません。

beatmaniaでは、それぞれのボタン(7個またはダブルプレーだと14個)や、曲の進行によって出せる音が自動で切り替わるので、1曲の中でも数十種類の音が出て非常に楽しいです。

 

左手でバスドラム、右手でシンセリフ(シンセサイザーによるメロディ音)を同時にプレーすることもできます。

ユーロビートのような電子的なメロディも、ピアノのように演奏できるのが面白いのです。

 

曲によっては、ロックのようにドラムのスネア、タム、ハイハット、さらにギター音が出ることもあります。

さらにはbeatmaniaにはスクラッチもあるため、音数はめちゃめちゃ豊富です。

 

クリアとスコアの概念があるから燃える

 

楽器になくてゲームにある要素として、クリアとスコアの概念があります。

 

クリアというのは、RPGでいうHP(ヒットポイント)のようなもので、曲をプレー中、スタミナみたいなゲージが増えたり減ったりするんですね。

曲の終了時に、一定量ゲージを残していればクリアするみたいな音ゲーが多く、クリアできるかどうかが、プレーヤーをハラハラドキドキさせるわけです。

ゲージ量ギリギリでクリアしようものなら、ほっと胸をなでおろしたくなります。

 

クリアの最終型としてFULL COMBO(フルコンボ、俗に言うフルコン)があります。

要はノーミスクリアのことです。

コンボを全部つないだという意味でフルコンボクリアということになります。

 

難しい曲でフルコン達成すると、それこそ脳汁ダラダラものです^^

 

 

クリアと異なりスコアは満点まで極めることができる

 

音楽ゲームというくらいなので、曲のリズムにぴったりのタイミングでボタンを押すと、高得点を出せます。

ジャストのタイミングからはずれればはずれるほど、点数は低くなります。

 

つまり、上達すればするほど、スコアが高くなるし、曲とプレーのタイミングが合うため、聞こえる音色も綺麗になるわけです。

 

例えばピアノを1曲通して間違えずに弾けたとしても、上手に演奏できたかどうかは、録音でもして聞いてみないとわかりません。

しかも、上手、下手などの感じ方は人によって異なり、客観的に判断する指標がありません。

 

音ゲーではそれをスコアという形で数値化することで、上手にプレーできたかどうかの指針にしています。

 

音ゲーの大会でも、クリアの成否は関係なく、スコアだけを争うものが多く、トッププレーヤーだと、1曲で3000点近く出るゲームでも1~2点差を争うなんてことが珍しくありません。

 

クリアができた曲でも、スコアの上達の道は果てしないです。

 

やろうと思えばスコア満点まで狙えるからです。

 

 

クリアやスコアが記録できる

 

もちろん、みんながみんなトッププレーヤーを目指しているわけではありませんが、練習することによって、同じ曲でもスコアの自己ベストを更新することで、上達を実感することができます。

 

曲ごとのクリア履歴や自己ベストスコアはICカードなどに記録されるため、常に上達を目指すことができます。

 

これによってモチベーションを保てるんですね。

 

 

今まで挙げてきたような、いろんな要素によって音ゲーを楽しむことができます。

 

もちろん、楽器には楽器にしかない楽しさがありますが、音ゲーにも音ゲーにしかない楽しさがあるのです。

 

楽器をやっている人や、以前やっていた人もぜひ音ゲーをやってほしいなと思います。